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11日 山の神ゲート〜夜叉神峠〜杖立峠
南アルプス林道が雪のため閉鎖され山の神ゲートから夜叉神峠登山口まで6kの林道歩きは予想していたものの、思いの他長くきつかった。
私がザックが重いなど本当は言えないのだが、実際には過去の山行中でもかなり重い部類、一部に雪がうっすらと積もっている程度の林道はずっと上りとカーブが続き、関係車両が2台ほど追い越して行くのを恨めしく見送る。
2時間ほど歩いて到着した登山口ですでに疲労して、ここが出発地点で一から始まるかと思うとちょっと辛いものがあった。

登山口からは陽が降り注ぐ明るい樹林帯をジグザグに上る。トレースがしっかりありわかんなしで歩き始める。
雪がきれい!空がきれい!ここからどんどん雪の中に入って行くのがうれしい!
数年前の晩い夏に縦走した時は高山の花咲き乱れる山だった。今は白い雪に覆われ花はなくとも雪の華やかさはそれに負けずとも劣らないと思う。大きく胸いっぱいに深呼吸をしてみる。
真っ青な空から日がさんさんとこぼれミクロの雪の結晶がチカチカ、キラキラ輝いて、これぞ快晴の雪山の醍醐味!!!
(けれど、以前に立山で快晴の3日間を過ごし全員メガネザルになり、ボロボロに皮がむけた人、私は水ぶくれになり1週間外出禁止など苦い経験を思い出してちょっと恐い)
青い空と白い雪のコントラストがこの上なく素晴らしい。
雪の斜面に梢が長い影を映し、明と暗をくっきり描く、コバルトブルーの空に白い雲が二つ、三つ。

夜叉神峠では幕が切って落とされたとしか言いようのないピカピカの北岳、間ノ岳、農鳥岳があえぐ私達を待っていた。天空に屹立する3000mを越す白峰三山は大迫力であたりを制する。ゴツゴツの北岳バットレスが冷たく光っている。南アの全望に歓喜、これが写真でもなく映像でもなく、同じ地点に自分が立っているのがにわかに信じられない。

峠からはやや雪深くなり、時々踏み外したり、よろけたり、奮闘する。斜面にもし転がるようなことがあると多分私は自力では起き上がれないだろうと足元ばかり見つめて歩くのだがサングラスが曇って足元さへおぼつかなく、時々はずして確かめなければ歩けない。トップのへんなおじさんの足跡通りに歩こうとするが歩幅が合わない(ーー;)
雪は真っ白と規定観念だったがこの青い空の下では雪も空の青さに染まるのだろうか、ブルーを帯びた雪面が行けども、行けども続く。
途中で先行のパーティがラッセルをしているようで、これは多分ルートを外れているとリーダーの判断でトレースが別れている地点まで引き返す。
下山中でもそのようなところがあり雪の場合テープが見え辛く、トレース通りに歩いていても正しいルートとは限らず、経験、読図は特に重要と思う。
休憩でいったんザックを下ろすと、その度に背負うのがだんだん辛くなってくる。早く今夜の食事を・・・食べたいのではなくザックの重量を減らしたい一心で。

ついに杖立峠でテントを張ることになる。(予定ではせめて火事場跡だった)峠前にももうテントはチラホラ、峠では私達以外に大パーティの4張りと1張り、計6張り、幸いそのうちでは最も到着が早かったので1等地に張ることが出来た。
雪を溶かして水作りをして夕食はキムチ鍋、雪のテントでは寒いだろうとお野菜をたくさん奮発したのが少々重かったが、豚肉、ギョーザ、キムチ、野菜、キノコ、仕上げにラーメンとなかなか美味しい鍋になってすっかり暖まる。
明日の薬師を夢見て就寝。
コースタイム
山の神ゲート 7:45→夜叉神峠登山口 9:40→夜叉神峠 11:25→杖立峠 15:25
12日 杖立峠〜南御室小屋(薬師に届かず引き返す)〜杖立峠
今日も快晴、木の間越しに朝焼けの北岳が一段と神々しい。火事場跡から今日も白峰三山の雄姿に対面する。

南御室小屋は雪の中でひっそり閉鎖されているが、小屋前は大勢の人で賑わっている。
先を急ぐので先に出発することにして小屋横から登り始めたらすぐ先に単独の男性がラッセル、仕方無く一緒に交代しながら行くがテープも見え辛く、トレースも無いでは時々難航する。

私が先頭になったところで急斜面、ずるずる足が滑って上がれず、次に交代したところでは林の中に入り込んで道が分からず・・・(結局何もしていない、困った同行者)
このラッセルで薬師岳は断念し時間の許すまで行こうと12時をメドに引き返す。薬師岳は踏めなくても果てしなく続く美しい雪、雪、雪に感動、大いに遊んで存分に楽しめたし、もう充分といさぎよく引き返す。(多分2587mピークの手前)

南御室小屋からシラビソの林を抜けたところに白峰三山の絶好のビューポイントがあると聞き寄り道をする。小1時間程遊んで小屋まで戻り、さてここから苺平まではダラダラの上り。全員気が重い、足はもっと重い

もう薬師を諦めたらあとはテント場に戻るだけと休み休み帰る。火事場跡付近で真正面に大きな冨士が雲の上に顔を出して、やっぱりと言うか、さすがと言うか断然大きい、どこからみても優雅な姿は誰に何と言われようとカメラを構えてしまう。
日が落ちるまで見ていたい心境だけれどそうもいかず重い足で帰る。
杖立峠への長く緩い上りはこれを上れば終わりと何度言い聞かせても足がダダをこねる。テントについた時はもう上りは1歩たりともいらないっ!
雪の中9時間も歩き回ってさすがにツ・カ・レ・タ!
今夜は牛丼、春雨スープ、たたきごぼう、しめじと茎わかめ煮。食担としては昨日が麺だから1回はご飯をと思ったのがまた重かった。反省。
コースタイム
テント場 6:40→苺平 8:45→南御室小屋 9:40→2587ピーク手前で引き返す 11:30→南御室小屋 12:15(白峰三山展望地で小1時間遊ぶ)→苺平 13:45→杖立峠テント場 15:50
13日 杖立峠〜夜叉神峠〜山の神ゲート
今日も素晴らしい晴天、3日の山行で晴天が続くのは久しぶりのことで特に昨年は雨が多くどこかで降られていたように思う。
初日苦しんだ道も下りとなるとウソのように早い早い。

稜線上から突然冨士山が雲海に浮かぶ。ほんのり朝焼けの雲海にシルエットのように浮かんだ朝の冨士はやっぱり日本人の心ここにあり・・・か(古い???)感無量でしばらく動かず。光学12倍レンズのMt.冨士さんのカメラに期待して私は心のシャッターを切るだけに。

あっと言う速さで夜叉神峠に到着、ずっと楽しませてくれた白峰三山に別れて登山口までもまたまた早い。何と言う人達!
トドメは林道歩き。雪の上はともかく、重登山の固い靴で林道歩きはかなり足にくる、それに所々影の部分で凍結していてヘッピリ腰になる。
曲がり曲がって山の神ゲートが見えた時はバンザイ三唱の気分だった。
きれいな雪の中にいられた3日間はそれだけで満足の充実の時間、白い思い出箱にしっかりしまっておく。雪色のリボンを添えて。
コースタイム
テント場 6:50→夜叉神峠 7:50→登山口 8:40→山の神ゲート 10:15
画像は同行メンバー 軟弱様 へんなおじ様 Mt.冨士様 porori
★ 貴重な画像ありがとうございました ★